申 は 目先に囚われず強い意志を持つことが大切

「申」は稲光を表す「電」の原字であると共に、また「申」は「甲(かぶと)」の上に

伸びている字である為、「甲」(固いもの)を突き破り上へ伸びてゆくことを表す字形から

「伸」であるともされます。更に「呻く」であるとされ、植物の生育過程で云うと、果実が

成熟し締め付けられ固まってゆく状態を表しています。果実はその生育過程で結実し実を膨ら

ませていく訳ですが、成熟する頃にもなると実は大きくなり、その実を支える枝も撓ってきます。

引力に任せそのまま撓り続けると、軈て支えきれなくなり枝は折れてしまいますが、自然界を

見てみてもそのようなことは起こらず、撓りはしていてもきちんと枝は伸びています。

以上のことから、「申」には①自然界の猛威の象徴である雷、②固いものを突き破り伸びる、

③困難な状況でも耐え凌ぐ、といった強い印象が窺えます。

前年の未年が、実が膨らみ始め、二次的産物(更なる飛躍)の兆候の現れであるとするならば、

申年は果実の成熟が進み、努力と信頼とで飛躍の足固めが出来たことを意味しますが、猿に纏わる

言葉には、騙されていることに気付かない「朝三暮四」や、油断から大きな失敗を生じる「猿も木から

落ちる」が有り、思わぬ落とし穴が潜んでいるとも言えます。目先の利益に囚われず、足場をより

固める為に、また成果を更に伸ばす為に強い意志を持つことが大切です。

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